日本一贅沢な鍼治療？　陰陽太極鍼で治療しました　追記：治療の感想頂きました

2025年5月6日2025年5月12日

今回は施術の内容とユニークなやり方である陰陽太極鍼の施術法についての解説記事を書かせていただきました。良かったら読んでもらえると嬉しいです。

こんにちは。埼玉県浦和の鍼灸マッサージ師川口しんぺいです。先日鍼灸学校の学生さんと知り合いになり、陰陽太極鍼に興味があるとのことでしたので施術させていただきました。自分は発祥の地、帯広の東方鍼灸院で二年働いて勉強させていただいたので陰陽太極鍼についてはちょっとだけ詳しいんです！(*^^*)

今はそれ以外の治療法やマッサージなどの施術をメインにしているので陰陽太極鍼オンリーでの治療はやっていないのですが久しぶりに陰陽での治療をさせてもらって色々懐かしかったし初心を思い出すことができました。

陰陽太極鍼とは？

陰陽太極鍼というのは帯広の(故)吉川正子先生が開発した鍼治療のやり方で鍼をささずに皮膚にテープでとめるやり方の特徴のちょっと変わった流派です。

治療の流れはこうです。

まずお腹を押してどこが痛いのか調べます。(腹診)と言います。これで大まかに体のどこが悪いのか調べます。
今回治療させてもらった方はおへその上の方のツボに圧痛がありました。この辺りは胃腸の反応点なのですが特にここが硬くて痛みがありました。『もしかして食べ過ぎですか』と聞いたところゴールデンウィーク中に美味しいものを食べ過ぎた、とのことでした(*^-^*)

今回反応のあったツボ

腹診だけでこれだけ分かってくるのです。
鍼灸の流派は脈診を重要視するところが多いですが脈診は難易度が高く習得が難しいように自分は感じていました。この流派は脈診ができなくても治療することができるのがとても良い所だと個人的に感じています。

次に首やふくらはぎの状態を調べます。これでさらに全身の状態を調べます。

さらに舌診や脈診も追加で行います。

次にこの流派のもっとも特徴的な経絡診を行ないます。どんなものかというと全身の経絡を一つずつ触っていき以上の出ている箇所を調べていくのです。具体的には皮膚の経絡を撫でてくすぐったいところ気持ち良いところを教えてもらいます。１２経絡すべて触っていく事で自動的に治療すべきツボが浮き上がってくるのであんまり考えなくても、初心者でも、経験が浅くても、治療ができてしまう素晴らしい流派なんです！

つまり患者さんの感覚を利用して治療を行っていくのです。患者さんの感覚を使ってご自身のチカラで治っていく、施術者はそれを引き出していく。川口はそう理解しています。

次に経絡診で出てきたツボに鍼もしくは植物の種をテープで貼っていきます。この時にどれだけ反応の出ていたツボを高精度で探し出せるかというところが治療の効果を左右してしまいます。今回ももちろん詳細にツボの位置を探索させてもらいました。

今回は足の胃の経絡(豊隆)、脾の経絡(公孫)などに反応が出ていましたのでテープで鍼をくっつけました。触っていくと自動的に今回の症状に対応した消化器のツボが現れてくるんですね！
さらに今回大腸の反応点にも圧痛があったので大腸の経絡の(商陽)から刺絡を行いましたところおなかもだいぶ柔らかくなって腸が動くのを実感してくれたそうです。

追記：Kさんから治療の感想をいただきました

個の感想文を頂いて正直感動しました。『身体と仲直り』していくって表現めちゃくちゃ良いですね。自分の目指しているものを的確に言語化してくれて感動してとっても嬉しくなりました。

僕は身体と仲直りのお手伝いをしていくんだと自分のこれからやっていく事に名前を付けてもらった気分です。この表現は今後も使っていきます。

創始者の吉川正子先生との写真。

この治療は問診や腹診、経絡診含めて治療に入るまでに３０分近くかかってしまうんですね。これがタイトルの贅沢な治療法の由来です。

一般的な鍼治療は５分？１０分？こんなに診断に時間をかける流派は僕は知りません。

じっくりと体の状態を確かめながら一つ一つ確認して一つ一つ効果を確認しながら治療していく、これは患者さんにも施術者にとっても尊い時間であると改めて実感しました。患者様にじっくりと向き合えてとても良い時間を過ごさせてもらいました。自分自身がやっていきたい方向性について考えることのできた良い時間になりました。感謝です。

神奈川県の葉山にお住いのKさん、今回は遠くからありがとうございました。また何かお困りのことがあればいつでもご連絡お待ちしています！

陰陽太極鍼については今後も記事を書いていきます。よかったらまたご覧ください！