
こんにちは鍼灸マッサージ師のしんぺいです。格闘技界ではバスター(スラムなどとも呼ばれる相手をマットにたたきつける行為)が話題になっているようですね。自分も去年ブラジリアン柔術でスパーリング中にバスターされてヘルニアになっちゃいました(´ー`)
ケガした直後は歩くことも出来ず、しびれと痛みで寝返りも打てず一睡もできない、電車も一駅立ってるのがやっとの状態だった自分が今はフツーにランニングも出来て柔術も復帰できています。何をしてここまで復帰したのか?自分の体に何が起こっていたのか?
ケガしてから半年たって去年ケガしてから現在回復したところまでを鍼灸師という治療する立場と柔術愛好家の二つの視点を混ぜながら振りかえって記事にしてみたいと思います。
ケガの瞬間
スパーリングの時2階級上の20代の総合もやっているお兄さんとスパーしている時のことです。
自分がクローズドガードで相手の方はガード解除をしようとしていましたが私が粘ったのでなかなか解除できない様子でした。そして私を持ち上げて背中から地面にたたき落としてその衝撃でクローズはずれたところをサイドに回って抑え込み。
名付けて「バスターパス」をしてきたのです。実はケガをしたときの一週間前の練習でも全く同じシチュエーションにて同じ方にバスターパスをされていてダメージは溜まっていたのだと思います。
たたきつけられた瞬間背中から下半身にかけて衝撃が走り「脊髄損傷」という言葉が脳裏に浮かびました。下半身不随かな?と思ったけど意外と動けてそのままスパーはできました。そう、受傷後すぐは何ともなかったんです。



交通事故の場合もこういうことはよくあるようです。



バスターパスの図
症状が強くなるまでの流れ
直後は何ともなかったので、良かったな。くらいの感覚で生活していました。
バスターパスをされてから一週間たってのことです。左のお尻がピリピリとしびれ?のような変な感覚が出てきました。何だろうと疑問にも思ったのですが普通に生活はできていました。
症状出てから一日後、痛みとしびれがお尻~太もも裏に広がりました。
2日後 ふくらはぎにまで痛みとしびれが出てきました。
3日後、痛みしびれで左足が動かなくなり、腰の形が変になっていました。普通腰は前にカーブしているのですがカーブが無くなって変形してしまいました。上手に歩けなくなり歩幅が減ってきました。
5日後 痛みとしびれが強くなり寝返りが打てなくなり眠れなくなりました。
7日後 さらに歩けなくなり外を移動するのは自転車でないと無理になりました。1駅も立っていられないので電車の移動も厳しくなりました。咳やくしゃみで左足全体に衝撃が走るようになります。このころ症状は最大となりました。
腰そのものは痛みはないが臀部ともも裏に激しい痛みがありました。
階段を上ることができずエレベーターなら移動できる状況でした。足腰の不自由な方はこんなに大変な思いをして生活しているのかと実感しました。
⇩これが当時一番ひどかった時の背中。本当にこれ以上背中が伸びなくなってしまった。膝が曲がり背中のカーブが全く消失している。



近所の整形外科を受診
さすがにこれは尋常ではないなと思い、バスターで腰椎を骨折してる可能性を疑い近所の整形外科を受診しました。
主訴:左臀部から下肢の痛みとしびれ。
初見:左足筋力低下あり。SLRテスト両足で陽性。仙骨スラストテスト陽性。
歩行50メートル。間欠性跛行あり。自転車の移動なら可能。しびれ痛み強く眠れない。
ザ、昔ながらのお医者様
有名な整形外科だったので期待してたのですが「ザ、昔ながらのお医者様!」というちょっと横柄な先生が診察してくれたのですが、レントゲンだけ撮って、
『多分ヘルニア。骨折はない。湿布出しとく。治らなかったら手術だから』と言われ診察は終わりました。え、そんだけ?高名な先生だったので拍子抜けしました。
説明が足りなすぎるので質問すると
『うるさい!今私がしゃべってる!』と全く聞いてはもらえませんでした。
これが古き悪しき日本のお医者様。マジで現代にも存在していたとは。。。
患者さんからシップ出すだけで説明もない医師の話は今まで患者さんから聞いてきましたが実際に遭遇するとちょっと衝撃でした。これでは患者の不安が全く解消されてないなと思い残念な気持ちになりました。
これが整形外科の現実なんだなと驚いた半面、だからこそ自分みたいな仕事の需要があるんだなと変に納得した気分。
その時処方されたのはもモーラステープとロキソニンでした。処方された薬は全く効果がありませんでした。



その時のレントゲン写真。腰のカーブが全くなくなっている。
重度のヘルニア、坐骨神経痛の方で「足を切ってしまいたい」なんて表現する方もいるのですが本当に気持ちがわかりました。
鍼灸師としての経験から
自分は国家資格のある鍼灸マッサージ師です。それなりに腰痛の方も治療させてもらってきました。その中でも20代の方でその時の自分ほどひどい状態の方を見たことがありませんでした。
通常の腰痛、姿勢不良や疲れではここまでの症状は出ません。20代男性、下肢のしびれ、眠れないほどの痛みを伴う。電車で一駅もたってられない。何かの外力がないとここまでの痛みというのはあり得ない。
直近で強い力を受けたのはその時しかないので原因は柔術で間違いないと思います。
回復への道 知人治療家の治療を受ける
正直、歩けなくなっていたので身体障碍者手帳指定医のいる病院に行って手帳交付してもらうことも考えてたくらいだったのですが、知人の柔整師の先生に相談して治療してもらえることになりました。
治療院に行くまで駅から徒歩8分なのですが歩けないので3回くらい休憩しながらなんとかたどり着きました。
正直不安であきらめかけていたんですが先生は『いやーひどいことになってるね!歩けないじゃん(笑)』と余裕な感じでした。ベッドに寝るのも一苦労でうつぶせができなかったのでまずは横向きで治療してもらいました。
治療して筋肉をほぐしてもらっているときにすでに楽になっている感じがありました。その後うつぶせで仙骨、腰椎をほぐしてもらいました。仙骨を押してもらうと足にしびれが走りますが体を委ねました。
仰向けでもも裏を伸ばすストレッチを行うと激痛が走りましたが「体に必要な痛み」である実感があったのでお任せしました。
治療が終わってベッドから立つと何と背中が伸びて歩けるようになったんです。この時の感動ってちょっと言葉では言い表せないものがありました。自分の足で歩ける。当たり前で疑ったこともない前提がどれほど幸せなものであったか思い知らされました。



一番ひどかった時と2回目自宅で治療してもらった時の比較。明らかに良くなっている!
もう一度別の整形外科を受診
6回ほど治療してもらい相当楽になったのですが骨折など深刻な状態がないかもう一度調べるために少し離れたところにある整形外科を受診しました。
比較的若い整形外科専門医の先生がいらっしゃるところで、サッカーチームの顧問もされているそうです。
一度目の診察
診察は丁寧でSLRテストや腱反射など素手で出来る検査を的確に行い、前の整形外科のレントゲンデータを見ながらお話ししてくれました。しっかり話を聞いてくれて今後こうしましょうと適切にご指示を頂きそれだけでもだいぶ心が落ち着きました。
ヘルニアだと思うけど確定にはMRIが必要だからまた来週来てくださいと言われその日は解散。
『タリージェ』という神経障害性疼痛の薬を頂きました。
ロキソニンとは作用が違うそうでこの薬も良く効きました。というか先生の診断に納得して飲む薬は効きも違う気がします。オカルトと言われるかもしれませんが。
二回目の診察
MRIの機械に入って画像を撮ってもらいました。音がうるさいとのことで耳栓をして入りました。狭いですが自分は特に気にはならなかったです。目を閉じてたら眠ってしまいました(*^^*)
その後また先生に診察していただきました。
実際の画像






上の画像が異常のある椎間板。真ん中に楕円形の丸がありますよね。
下が正常な椎間板。飯盒みたいな形をしています。
結論から言うと椎間板ヘルニア。左の神経を圧迫している影響でしびれが出ているとのこと。薬やマッサージで改善傾向であるのですぐに手術の必要はないとのことでした。
いつできたヘルニアか?
先生によればこのヘルニアがいつできたのかはわからないそう。昔からあって今回衝撃を受けて神経に触ったのかもしれないし柔術で出来たのかもしれないそうです。
(昔からあったんじゃないかなーみたいにつぶやいていました)
柔術が最後の一撃になったんだろうねとの趣旨の発言をされていました。
治療について
その後の自分が行った治療についてです。
クリニックでのリハビリもあったのですが距離が離れている、仕事帰りに行けないなどの理由から一度しか通えませんでしたので柔整師の知人の治療を継続してもらうことにして計10回ほど治療して頂きました。
腰の筋肉を緩め坐骨神経などをストレッチする施術や自分でのストレッチ姿勢の意識などを続けた結果、普通に歩けるようになり、ランニングなどもできるように回復しました!
しびれも減っていき夜も眠れるようになっていきました。
柔術との向き合い方の変化
体重別スポーツだよね
重々は階級の別れて行うスポーツです。無理して自分より重い相手と練習することのリスクを感じたので無理せず同階級の方と行うか、重い相手とはシチュエーションスパーに限定するなどの対策が必要と思うようになりました。
現在は回復に向かい、柔術もできるようになっていますが以前通っていたジムは退会し、同時期にやめたNさんと柔術同好会を作って練習しています。思うところもあったのと仕事が忙しすぎて週一回くらいしか練習できないのでこの方が自分には合っていました。
格闘技はチーム戦だ!
引っ越しする前に最初に所属していたジムで言われた言葉です。きれいごとかもしれないですがお互い仲間で切磋琢磨して練習していく事で強く上手くなっていくという意味なのかなと思います。
練習相手が壊してもいいダミー人形くらいにしか思ってない人とは練習はできないなあと思います。
今主催している同好会はお互いリスペクトをもって練習できる人たちが集まってきてくれていて、良い練習の場になっています。
高田馬場でやってるので興味ある方はお問合せからご連絡ください。
鍼灸師としての変化
このけがをする前は坐骨神経痛、足のしびれって正直苦手な症状でした。治療が難しいなと思っていました。
実際に自分が経験して治る過程を経験して本当に『身体で理解できた』ことによって治療も何をすればいいのか自然に理解ができたんです。
明らかにケガ前より、座骨神経痛、ヘルニア、脊柱管狭窄症の方の治療成績が向上しました。
痛みは伴ったけどうれしい収穫はあったという事です(´▽`)
まとめ
正直まだ完全に治ってはいません。痛みしびれがまだ残っていますがそれを自分で解決する事、付き合っていく事が治療家としての自分の深みを出してくれると信じています。
ここまで読んでくださった方ありがとうございました。
今後もヘルニアのケアや柔術家のためのストレッチなどの記事を書いていきます。良かったらまた記事を読みに来てください。来てくれた人のためになる記事を今後も更新します。
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次回5月26日(月)開催。三枠での施術です。お問合せからご連絡ください。
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